Sepsisの定義と重度熱傷におけるCytokine Storm

摘要

重度熱傷患者における感染はsepsis (burn sepsis),さらに多臓器不全症候群に進展することも多く,受傷後24時間以降の主要な死因となる。Burn sepsisの診断は,その特殊性から一般集団のsepsis診断基準は適用されず,熱傷に特化したコンセンサス基準が提案されている。また，熱傷受傷後の初期段階では,炎症経路が活性化され,炎症性サイトカイン(TNF-α, IL-6, IL-8など)および抗炎症性サイトカイン(IL-10など)を含む種々のサイトカインの産生増強が起こり,“サイトカイン?スト一厶”の状態であるといえる。このような自然免疫反応は，ダメージ関連分子パターンにより制御され，最終的にサイトカインの過剰産生とそれに伴う臓器障害を引き起こず。サイトカイン?ストー厶の状態を制御することが，burn sepsisの革新的な治療法に繋がるかもしれない。