加齢黄斑変性の病理と病態

摘要

人口の高齢化によって近年増加しつつある加齢黄斑変性(age-related macular degeneration : AMD)にはさまざまな病期?病態があり,その診療には病態の理解が重要であ る.2008年に公表された「加齢黄斑変性の分類と診断基準」では,AMDは前駆病変と加齢黄斑 変性に分類され,後者は萎縮型と滲出型に分類されている.滲出型AMDの特殊型としてポ リープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy : PCV)と網膜血管腫状増殖(retinal angiomatous proliferation : RAP)が位置づけられ，滲出型AMDのうち，通常の脈絡膜 新生血管(choroidal neovascularization : CNV)から発症する病型は典型AMDと呼ばれてい る.本稿ではAMDの病理組織所見とそれに基づいた病態について解説した.AMDの病態の 理解と治療には，病理組織所見を知ることは重要である.