糖尿病と感染症? COVID-19レジストリー解析も含めて【抄録】

摘要

中国?武漢で発生したとされる新型肺炎(COVID-19) は新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)が原因であるこ とが判明し， 2021年7月半ばで全世界の感染確認1 億8,900万人以上， 死者406万人を超えるパンデミッ クとして猖獗を極めている。早い段階から糖尿病が COVID-19の重症化のリスク因子であることが報告さ れ， 全世界からの報告， 我が国からの報告でもその事 実が確認されている。そもそも糖尿病患者では細菌感染症の罹患や重症化 が見られやすいことは報告されており一部の感染症の 背景には糖尿病罹患がみられることは臨床でも経験する。ウィルス性の上気道感染や肺炎の一部でも糖尿病 が重症化や死亡など重大な転帰のリスク因子であるこ とが報告されている。今般流行中の新型コロナウィル スでも， 様々な角度から糖尿病の有無， 入院時の血糖 コントロール?血糖値， BMIがCOVID-19の重症化 に及ぼす影響が検討されている。現在までの既報を 概説するとともに， 日本における症例レジストリー (COVIREGLJP)データの解析を通じて浮かび上がる COVID-19とその重症化因子を紹介し， 患者や家族と 情報を共有して「正しく恐れる」ための知識の整理の ための一助としたい。