論点-再考!網膜剝離手術-

摘要

ご存知のように,20ゲージ硝子体手術が主流であった時代には,Machemer医師によって開発され た1ポート経毛様体扁平部硝子体手術は歴史の一部として扱い，語られました.同様に,低侵襲硝子 体手術（MIVS）が高度に洗練され,一般化（今やほぼ100%以上の硝子体手術が25ゲージもしくは 27ゲージで施行されています）した現在，20ゲージ硝子体手術についても歴史の一部として扱い， 語る時代がきたのではないでしょうか? したがって，もう「MIVSがすごいんだ!」と語る時代で はなく,MIVSがスタンダードであることを前提に,各疾患の手術成績を語る時代かと思います.さて,MIVSがスタンダードである現代,裂孔原性網膜剝離（RRD）に対する手術加療は,どう いった傾向で選択され,どういった成績となっているのでしょうか? 最近では，多くの多施設研究 もなされ,治療適応の傾向や成績が多く報告されております.こういった点も踏まえ,山切啓太先生 （鹿児島市立病院）には,総論として「網膜剝離手術の最近の動向」についてご執筆いただきました.また,MIVSがスタンダードである現代,RRDに対するMIVSの適応範囲は大幅に拡大し，多く のRRDに対してMIVSを適応させることができてきています.その手術成績（初回復位率）は,術 者や施設による差はあれども，おおよそ良好です.では，MIVSにはどういった利点があり，存分に その利点を活かすにはどういったことがポイントとなるのでしょうか? 米田一仁先生（昴会アイセ ンター）には，ご自身の豊富な経験も踏まえ,「MIVSを用いた網膜剝離手術の現状」について，ご 執筆いただきました.