レンティスコンフォートの近方裸眼視力に関連する因子

摘要

目的:レンティスコンフォート(以下,LC)挿入症例の近方裸眼視力に影響する因子を検討した.対象および方法:2019年 5月?2021年4月に,佐藤裕也眼科医院においてL C (トーリック含む)を挿入し 術後3カ月での遠方裸眼視力が0.9以上か つ矯正視力L0以上であった63名108眼(男性27名，女性36名,平均年齢65.5 +- 8.4歳)を対象とし,後方視的に調査した. 術後3カ月目の自覚乱視量,遠見自覚等価球面度数,術前明所瞳孔径,年齢について，近方裸眼視力(40cm logMAR)との相 関を調べた.結果:近方裸眼視力0.4 (logMAR0.40)以下が38眼，0.5以上が70眼であった.近方裸眼視力と弱い正の相関を 認めたのは自覚乱視量(r = 0.2031, p = 0.035)と年齢(r = 0.2819, p = 0.0031)であった.遠見自覚等価球面度数(r = 0.0464, p = 0.6336)と術前明所瞳孔径(r= -0.1951, p = 0.0624)は有意な相関を認めなかった.結論:LC挿入後の遠見裸眼視力良好 例においては，乱視が大きく，高齢であるほど近方裸眼視力が低下することが示唆された.