トヨタTRI-ADを再編、事業領域拡大に伴いWoven Planet新体制に移行

摘要

トヨタは2021年1月にToyota Research Institute Advanced Development（TRI-AD）の事業を再編してWoven Planet Groupを設立した。TRI-ADは当初、自動車向けソフトウェアを開発する会社であったが、2020年以降に事業範囲をWoven Cityに広げたことに伴い、組織を拡大してWoven Planet新体制に移行した。新体制では自動車事業の枠を超えた新しいビジネスを迅速に展開できる体制を構築し、事業領域と規模の拡大を図る。Woven Planet Groupは、中長期的な事業戦略を立てるWoven Planet Holdings（持株会社）と、事業会社のWoven Core/Woven Alpha、投資会社のWoven Capitalで構成されている。従来TRI-ADが担っていた自動運転技術の開発·実装はWoven Coreが引き継ぎ、自動運転技術においてトヨタの強みとなるコア技術を内製する。ただし、トヨタ単独で開発していては開発スピードが落ちるため、Woven Alphaが協調領域のOS（Arene）やAMP（Automated Mapping Platform）をオープンソースで開発する。Areneはクルマづくりを安全かつ簡単にプログラミングするオープンプラットフォームであるが、将来的にはスマートシティなどで社会インフラとつながったモビリティ（ビヨンド·オートモーティブ）にもプログラミングの領域を広げるとみられる。また、Woven AlphaはWoven Cityプロジェクトを推進する役割も担う。2021年2月23日にWoven City のPhase1の地鎮祭が実施され、Woven Cityプロジェクトが正式にスタートした。今後、自動運転やロボットなど様々な領域の新技術がWoven Cityで実証される予定である。