Fallot四徴症

摘要

Fallot四徴症（tetralogy of Fallot ； TOF)は，大 動脈の右室側への騎乗により，漏斗部中隔と筋性部 中隔にずれが生じ正常に整列されず（malalignment), 隙間として心室中隔欠損（ventricular septal defect ； VSD) となる.漏斗部中隔は前方に偏つ て形成され，肺動脈円錐の発達不良により右室漏斗 部と主肺動脈が低形成となり狭窄を生じることで， 右室肥大となるチアノ一ゼ性心疾患である.修復術 後の生存率，QOLは良好であるが遠隔期に様々な 問題が生じる.肺動脈弁置換術（PVR)の生体弁は 石灰化のための狭窄や逆流を生じ，10~30年で再 手術となる.右室流出路再建に用いられた心外導管 の機能不全，弁輪を越える流出路パッチ拡大術後の 肺動脈弁閉鎖不全は再手術の頻度が高い.