ノン夕ーゲット法によるオフフレーバーの分析

摘要

私たちは視覚，嗅覚，聴覚，触覚，味覚の五感 により身の回りの事象を把握し，人あるいは環境 を理解するとともに活動の拠り所としている.こ れらヒトが太古から活用してきた五感を取り巻く 環境において最近大きな変化が見られるのは，嗅 覚に閨する分野である.1990年代，ガスクロマトグラフィー（GC)の世 界において普及が進んだキャピラリーカラムは， クロマトグラム上で多くの有機化学物質を分離で き，対象化合物の網羅的な分析を可能にしてきた. 特に，揮発性、半揮発性を有する有機化学物質に 閨しては幾つかの工夫をすることにより，分析対 象を絞らずに測定し，同定するというノンターゲッ ト分析が可能となってきたのである.この方法は とりわけフレーバー，あるいはオフフレーバーの 分野において有効であるため，その基本的な仕組 みを紹介する.