腹腔鏡下脾動静脈温存脾温存臈尾側切除術を施行した塍尾部副脾epidermoid cyst の1例

摘要

患者は44歳の男性.健診のエコーでS窣尾部腫瘤と胆囊結石を指摘され，当院に紹介され受診した.CT， MRIで歸尾部に25mm大の囊胞性病変を認め，辺縁は厚く不均一に造影された.主膵管に異常所見はなく，腫瘍マーカーは正常であった.悪性疾患を否定できず，確定診断を兼ねて腹 腔鏡下手術を施行した.術中エコー下に腫瘍の局在を確認し，脾動静脈および脾臓を温存して尾惻脾を切除した.術後合併症はなく第13病日に退院した.病理診断は膵尾部副膵に発生したepidermoid cystであった.診断を兼ねた膵尾部切除に対して，腹腔鏡下脾動静脈温存?脾温存滕尾側切除術は積極的に考慮すベき術式と考える.