長期温暖化対策と再生可能エネルギーの役割

摘要

福島第一原発の事故以来、我が国における地球温暖化への開心はかなり下がってしまったような気がする。安倍内閣は昨年の気候変動枠組条約締約国会議(COP)で温室効果ガスの2020年排出目標をこれまでのものから大幅に緩めて、2005年比3.8%減とした。従来なら国内で賛否両論議論が弾むことになるのだが、マスコミ等をみてもあまり大きな反響があったとは言えない。しかし、こうした関心の低下があったからといって、温暖化の深刻性が低減した、というわけでは決してない。確かにここ10数年地球の温度は停滞しているが、これは温室効果ガスによる温暖化とは異なった要因によるもので、再び温度が上昇していく可能性が高いことは学術誌等でしばしば指摘されることだし、また昨年9月に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告によると、温室効果ガスの中心である二酸化炭素の累積排出量と温度上昇はほぼ比例的であるといってよい、とのことである。