ゲノム編集技術を利用したGABA高含有トマトの作出

摘要

標的遺伝子に精緻に変異を誘発できるゲノム編集技 術が開発され期待が高まている. 有用遺伝子変異を 交雑により目的系統に導入する従来型の品種改良で は、目的の形質を持った新品種開発に長期間を要して いる。もし、ゲノム編集技術を使って目的系統に有用 遺伝子変異が直接再現できれば、品種改良の高速化が 期待できる。筆者らの研究室では、ゲノム編集技術を トマトの重要育種形質改良に活用する研究に取り組ん でいる。本稿では、ヒトの健康増進に貢献する機能性物 質として注目されているアミノ酪酸（Gamma Amino Butyric Acid, GABA)をゲノム編集技術により果実に 高蓄積する研究事例を紹介する。