遺伝性腎癌症候群における遗伝カゥンセリング

摘要

遺伝性腎癌症候群は，腎癌開連遺伝子の生殖 細胞系列変異により腎癌を発生する症候群で，腎癌全体の5～8%を占めるとされる。現在ま でに15個程度の遺伝性腎癌開連遗伝子が同定 され，それぞれの遺伝性肾癌症候群で，異なる 発生頻度で，異なる組織型と悪性度の腎癌が発 生する一方で,異なる発生頻度で，異なる全身 臓器に徴候が兌られる。その病態の複雑性 と，de novo症例の存在は，遺伝性腎癌の全体 像を正確に把握することを困難にしており，相 当数の遺伝性肾癌が見逃されていると考えられ ている。