温度および相対湿度の調査に基づく 自動錠剤分包機内環境の評価

摘要

調剤室内の温度や相対湿度の管理は医薬品の品質管理において重要である。しかし，医薬品が 無包装状態で保管されているにも関わらず，自動錠剤分包機内の温度や相対湿度についてはほとんど評価されていない。そこで本研究では，自動錠剤分包機（2社4機種）のカセット内および その自動錠剤分包機が設置されている調剤室（病院3施設，調剤薬局7施設）内の温度および相 対湿度を測定した。カセット内の温度および相対湿度は，自動錠剤分包機が設置されている調剤 室内の温度および相対湿度と相関していたが，一部の機種では，自動錠剤分包機の稼働時におい て，調剤室内の温湿度変化以上の著しい温湿度変化が認められ，自動錠剤分包機内の環境は機種 によって差があることが示唆された。したがって，医薬品の品質管理のためには，自動錠剤分包 機内の環境についても把握する必要がある。今後は，医薬品の品質管理を志向した新しい調剤機 器の開発も望まれる。