Mycoplasma genitalium 感染症と薬剤耐性

摘要

性感染症の中で最も頻度の高いものは，男性 の尿道炎および女性の子宮頸管炎である。男 性の尿道炎は尿道分泌物と排尿痛とを主訴とす る疾患で,古典的に淋菌が検出される尿道炎を 淋菌性尿道炎と，検出されないものを非淋菌性 尿道炎 （non-gonococcal urethritis : NGU） と 呼ぶ。NGUの主たる原因微生物はChlamydia trachomatis （クラミジア）であり,クラミジ アが検出されるものはクラミジア（性）尿道 炎と呼ぶ。わが国ではMGUの約半数からク ラミジアが検出されるが,その他の半数はク ラミジアが検出されないNGUであり，総じて 非クラミジア性 NGU （non-chlamydial NGU : NCNGU）と呼ぶ。NCNG Uからは数多くの 微生物の遺伝子が検出される。 Mycoplasma genitalium, Trichomonas vaginalis （ト リコ モナス），Ureaplasma urealyticum などや嫌 気性菌が検出され，この中でAf. genitaliumと T. vaginalisの男性尿道炎に対する病原性が確 認された2，3）