性器ヘルペス感染症の診断と管理

摘要

性器ヘルペスは単純ヘルペスウィルス(herpes simplex virus ： HSV) 1 型(HSV-1)も しくは2型(HSV-2)の性器感染によって発 症する,代表的なウィルス性性感染症の一つ である。女性の性感染症の中では性器クラミジ ア感染症に次いで第2位を占める。性器ヘル ペスは再発性の疾患であり，繰り返す再発にょ り患者のQOLは低下する1)。本疾患の発症に は,HSVに初めて感染したときと,すでに潜 伏感染していたHSVの再活性化によるときと の二種類がある。本疾患の発症には,HSVに 初めて感染したときと,すでに潜伏感染してい たHSVの再活性化によるときとの二種類があ る。性器ヘルペス患者の6?7割は再発例であ るので,本疾患では再発への対策も重要なポイ ントとなる。本稿では2020年に改訂された日 本性感染症学会の「性感染症診断?治療ガイ ドライン」”(以下，ガイドライン)を基に，性 器ヘルペスの疫学,診断，治療について，本邦でも使用可能になったPIT (patient-initiated therapy)も含め紹介したい。