マウスのガラス玉覆い隠し行動に対するメマンチン塩酸塩OD錠「ニプロ」の抑制効果

摘要

これまでにNMDA受容体拮抗薬がマウスのガラス玉覆い隠し行動を抑制することが知られている。今回.NMDA受容体拮抗作用を有するアルツハイマー型認知症治療薬であるメマンチン塩酸塩を有効成分とした，メマンチン塩酸塩0D綻「ニプロ」およびその先II医薬品メマリー~ROD綻について.マウスのガラス玉覆い隠し行動に対する効果を評価した。各綻剤を粉砕後，0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液で懸Sした各試料液をICR系雄性マウスに5,10,15mg/kg (メマンチン塩酸塩として）の用量で経口投与し，その1時間後にガラス玉覆い隠し行動またはA兌運動量をそれぞれ30分間測定した。ガラス玉覆い隠し行動の評価はおがくずの上に25個のガラス玉を等間隔に並べて.覆い隠したガラス玉の数を測定した。また自発運動量はボックスからガラス玉を取り除き，焦電型赤外線センサーで測定した。覆い隠したガラス玉数は，両製剤群ともに10mg/kg以上で媒体対照群に比べて有意に減少した。また同一用量の製剤間比較では有意な差は認められなかった。自発運動量に対しては，いずれの製剤も影響を示さなかった。以上の結果から.両製剂はマウスの行動抑制に起因することなく，ガラス玉覆い隠し行動を抑制し，その抑制効果は同程度であることが示された。従って，臨床上においても両製剤は同程度の薬理効果を示すことが期待できる。