序文

摘要

鼠経ヘルニアは.発症原因が異なる外鼠経へ ルニァと内鼠経ヘルニアの2つのヘルニアの総 称であり.女性に多い大腿ヘルニアを含めたも のが鼠径部へルニァと定義されている。鼠経部 ヘルニアの手術は年間15万件以上施行されており，外科疾患の中で最も頻度の高い手術の一 つである。わが国では1990年代に始まった内 視鏡外科手術の普及により.鼠径部ヘルニアの 手術治療も大きく影響を受けてきた。伝統的な 鼠経部ヘルニアの治療では.鼠経部の皮膚切開による疼痛の少ない多数の術式が施行されてき た。内視鏡外科手術の導人に伴って選択術式は さらに広がり，2022年にはロボット支援手術の 保険適川も検討されている。