組織工学：再生医療へ向けた産業化の課題

摘要

最近、再生医療への企業の新規参入を伝える記事が新聞紙上で頻繁に伝えられるようになった。これまでは、主に大学研究者を中心としたバイオベンチャー企業設立の一分野としての組織工学および再生医療領域であったが、有力企業の積極的な参入が増えている。 一方で、再生医療ビジネスの先進国である米国では、食品医薬品局（FDA）の承認を得た製品を先行販売していた人工皮膚領域での有力老舗ベンチャー企業2社（Organogenesis社、Advanced Tissue Sciences 社）が昨年相次いで経営破綻し、決して将来がパラ色とは限らないことも事実である。