乳酸菌のホップ耐性について

摘要

ビールは微生物による混濁事故が起こりにくい飲料として知られている。 その一方で、乳酸菌が微生物混濁事故の約2/3を占めると報告されており、ビール産業において乳酸菌は有害な微生物の代表格である。 ビール混濁乳酸菌は、Lactobacillus brevis、L．lindneriおよびPediococcus damnosus等、ビール中の天然抗菌成分であるホップ成分に対して強い耐性を示す数種に限られる。 このことから、ビール醸造における微生物管理では菌種同定法がこれまで中核的な役割を果たしてきた。