お酒はぬるめの燗がいい: バイオとカン

摘要

まぼろしの名酒というものがある。 地方に旅してふと立ち寄った小さな居酒屋でなんとなく口にし、そのうまさに驚く。 どんな杜氏さんと水で造っているのかと思う。 数年後、再び同じ居酒屋で同じ酒を注文しても、ない。 同じメーカーの別の酒を注文しても今ひとつうまくない。 「最近は味が落ちてね。 団地開発で水が変わったようで、杜氏さんも歳で若い人に代わったしネ」とおかみさん。 こんな時、前の酒をまぼろしの名酒と言うのだ。 バックには「舟歌」が流れている。