ビール環境に潜む乳酸菌$$$$ビール混濁乳酸菌150年の謎に挑む

摘要

ビール醸造の起源はメソポタミア文明までさかのほることができる。 その数千年にも及ぶ歴史の中で、ビール醸造環境に棲みつき、天然抗菌成分であるホップに対する耐性を獲得して進化してきた特殊な乳酸菌群がいた。 ビール混濁乳酸菌と呼ばれる微生物である。ビール混濁乳酸菌は、約150年前Pasteurにより酸敗ビールから発見された乳酸菌であり、ビールの品質管理上、悪玉微生物の代表格と言ってよい。 しかしながら、ビール混濁乳酸菌の起源、その生態などについては、発見以来長い間謎とされている。 このような背景の中、筆者らはど－ル混濁乳酸菌150年の謎に挑み、その真の姿に迫ってきた。 本稿では、その内容について紹介する。