看護の原点を見つめ直し、未来を考える

摘要

看護の原点としての感染対策. 川嶋 池西先生の『看護教育へようこそ』（第2版）を読ませていただき、教え られることがたくさんありました。教えることの醍醐味を、先生ご自身の長年のご経験と種々の知見からまとめら れ、とても多角的に問題を整理されていて内容の豊富さに圧倒されました。池西ありがとうございます。川嶋先生の本を読みながら、看護教育やコロナ禍での看護について思いを はせていました。私が卒業した頃は戦 争が終わったばかりで、抗生物質もない、輸液もない、とにかく素手でケア をしなければならない状況でした。最 初に習うのは手洗いで、清潔?不潔の 観念を徹底的に教えられました。感染対策は看護の原点だと思います。ナイチンゲールはスクタリ陸軍病院で兵士の死亡率が高かった理由を、戦争にょる死因よりも、非衛生な悪い環境下で、過密で換気が悪くて、病気で死んだ人が圧倒的に多いことを統計で明らかにしました。細菌学も未確立な時代ですし、次々と死を迎える兵士たちの前で、どんなに辛かったことでしょう。