セルフケアを支援しウェル?ビーイングへの到達をめざす

摘要

前稿に引き続き、神戸市看護大学（以下、本学）の慢性 病看護分野で教授している内容、他領域との連携など ついてご紹介します。慢性病のとらえ方. 一般に慢性期の看護というと、疾患の治療?回復過 程のなかで、完治はしていないが比較的病状が安定し. て生活を送れている時期の看護ととらえることが多 いように思います。一方、慢性病看護学は、慢性病をもつ人を生まれる前から死に至るまでの長期的スパ ンでとらえるものです。慢性病とは、療養が長期に及 び、そのなかで病状の改善や悪化、合併症の発症など がわかりにくく、症状が曖昧であり、いつ症状が増加?減少するかがわかりにくいなどのさまざまな面で不確 かさをもっており、一時的緩和を得るにも多大な努力 が必要な疾患をさしています。複数の疾患が重複する ことも多く、患者の生活にとってきわめて侵害的です。また、多様な補助的サービスが必要なため、費用がか かるなど特徴があり、これらを総合して“慢性性”と 呼んでいます。