黄斑の滲出性変化の鑑別

摘要

黄斑浮腫とは網膜血管や脈絡膜血管から漏出した血漿成分が黄斑部に貯留した状態 で，患者は視力低下や歪視を自覚する.黄斑浮腫の原因は多岐にわたるが,浮腫が遷延すると 不可逆的な視機能障害が起こるため,黄斑浮腫の原因疾患を鑑別し，早期に適切な治療方針を 決定することが重要である.本稿では黄斑浮腫の鑑別疾患を「出血を伴うか」「RPE異常を伴う か」で分類し，鑑別の実際を述べる.また，滲出型AMDについてはその発症背景に応じて drusen-driven AMDとpachychoroid-driven AMDに分けて鑑別のポイントを提示する. Pachychoroid-driven AMDはpachychoroid関連疾患と呼ばれる一連の疾患群の一部で，近 年PDTの有用性が報告されており，適切な治療法の選択のためにその発症背景の鑑別が重要 となってきている.