近視性黄斑症

摘要

近視性黄斑症は病的近視眼の眼底後極部に特徴的な黄斑部病変であり，視機能障害 をきたしうるさまざまな病的近視眼に伴う合併症発症の要因となる.2015年の国際メタ解析研 究にて，近視性黄斑症は.近視性網脈絡膜萎縮病変と，いかなる段階の近視性網脈絡膜萎縮病 変においても生じうる3つのプラス病変(近視性脈絡膜新生血管，Fuchs斑，lacquer crack) から構成されることが定義された.20ほ年の国際メタ解析研究における近視性黄斑症の分類は 眼底写真の主観的な判定に基づくものであるが，2019年にはSS-OCTを用いた近視性黄斑症 の分類も提唱されており，客観的な数値を用いて評価が可能となっている.診断にはAI技術も 応用されるようになっており，国際間での比較解析が今後盛んに行われると考えられる.