論点

摘要

眼科は専門性の高い外科であり，とくに眼部外傷の治療は眼科でしかほぼなしえない.一方で，近代眼科では専門領域が細分化され，それぞれのsub-specialityにおいて知識や技術が発展し，quality of lifeにつながるquality of visionの向上に貢献してきた.しかし，一般外来で救急受診した外傷患 者に対する治療は，多数のsub-specialityにまたがる可能性が高く， sub - speciality外だからという 理由で治療を断るということはのちに問題となる.とくに，加害者のいる外傷における治療歴は，加 害者と被害者の間で訴訟となつた場合に非常に重要な証拠となるため，医療界のみならず法曹界でも 問題となる.しかし，それぞれのsub-specialityにおける発展はめざましく，自らのsub-speciality 以外の最新医療をつねに把握することはなかなかむずかしい現実もある.そこで今回の特集は， sub-specialityの枠組みにとらわれず，眼外傷に対する知識を共有することを目標に，"眼科外傷に 対する手術と治療"を企画した.