CTR-IOL複合体脱臼に対する CTRインジェクターによる処理法

摘要

眼内レンズ(intraocular lens : IOL)亜脱臼および脱 臼は,日常診療においてしばしば出会う疾患である.そのなかに，非常にまれではあるが，capsular tension ring (CTR)とともにIOL亜脱臼および脱臼を起こしているものがある(図1).CTRは，海外では以前より使 用されており，日本では2013年に認可され，その有用性から年々使用件数は増加してきている.CTR挿入眼における術後IOL位置異常の頻度は1.7~3.9%, 発症時期は4.4?6.8年と報告されており，CTR-IOL 亜脱臼および脱臼の症例に出会う頻度は徐々に増加すると考えられる.CTR-IOL亜脱臼および脱臼に対する手 術の方法は,脱臼したCTR-IOL複合体を縫着する方法や2本の硝子体鑷子で抜去する方法が報告されている. 今回，筆者らはこのCTR-IOL複合体をより簡易に抜去できる術式を考案したので，その方法および注意点を説明する.