EGFR阻害薬と化学療法の併用

摘要

上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor ; EGFR)遺伝子変異陽性非小細胞肺がん（non-small-cell lung cancer ; NSCLC)に対しては，数々のエビデンスのある試験によってEGFR阻害薬(EGFRチロシンキナーゼ阻害薬；EGFR tyrosine kinase inhibitor ; EGFR-TKI)の有効性が示され，EGFR阻害薬が初回治療として推奨されている.第1世代EGFR阻害薬は無増悪生存期間（progression free survival; PFS)9か月と，化学療法と比べて有意差をもってPFSの延長を示した.そして，第2世代EGFR-TKIはPFS11?15か月と，第1世代EGFR-TKIと比べて有意差をもった延長を示した.さらには，第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブは，第1世代EGFR-TKIと比べて，PFSだけでなく（PFS中央値第1世代EGFR阻害薬群10.2か月vs.第3世代EGFR阻害薬群18.9か月，HR 0.46, P<0.001),全生存期間(overallsurvival; OS)においても有意な延長効果があることが，ESMO2019で報告された（OS中央値第1世代EGFR阻害薬群31.8か月vs.第3世代EGFR阻害薬群38.6か月，HR0.799,P=0.0462).