肺がん

摘要

肺癌診療ガイドラインは，「厚生科学研究費21世紀型医療開拓推進研究事業EBM研究分野」の助成により作成が開始され，2003年に初版がまとめられた.その後,日本肺癌学会へ作成が移 譲され,現在では治療薬の進歩が著しい肺がん分野に対応すべく年次改訂（冊子版は2年毎改訂）が行われている.2017年には，Minds診療ガイドライン作成マニュアル2014年版に基づきGRADE 7プローチを採用した大改訂が行われており,最新刊は肺癌診療ガイドライン2020年版である.本稿では,日本肺癌学会ガイドライン薬物療法および集学的治療小委員会で行われた議論に基づき，これまでに注目された薬物療法にかかわるアップデートを中心に各領域における改訂ポイントおよび課題を概説する.