総論

摘要

ASHは世界中の血液内科医にとって1年で最も大きなイベントの1つである.臨床研究,基礎研究ともに世界中から最新のデータが集まり，多くの研究者等と議論することによって血液内科学の進歩を肌で感じることができる貴重な機会である.2020年ASHは西海岸のサンディエゴ市での開催が予定され,日本からのアクセスもよく温暖な気候であることから心待ちにしていたが，COVID-19の世界的流行のため残念ながら完全才ンラインでの開催となった.例年参加者が2万人を超える学会の規模の大きさから，オンライン開催にも多くの困難があったかと思われるが，学会進行は非常にスムーズに行われた.ほとんどすべてのセッションで発表は事前録画され,Q&Aはコメント機能で寄せられた質問に対して演者がライブで回答するという形が取られた.発表者達は各国の自宅や職場から出演しており,それぞれの国や文化,研究環境の違いなどを垣間見ることができ新しい発見となった.学会参加費用についてもこれまでにない試みがあった.まず，事前に学会員にむけて「オンライン開催となった場合の学会参加費用についてどれくらいまでなら許容するか」といったアンケー卜がとられた.最終的に，コンテンツの視聴可能期間に合わせて参加費が変動する（視聴期間が長くなれば1日あたりの費用は割安となるが総額は高くなる）制度がとられた.