COVID-19とがん硏究?治療

摘要

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2019 年12月に中国で報告されて以来，世界的大流行 （パンデミック）を起こし，すでに2年が経過して いる.国内では2020年3月?5月にかけて感染 者数の増加，いわゆる第1波があり，これまで収 束と増加を繰り返し5回の大きな波があった. 第1波では感染対策も手探りであり，多くの医 療機関では安全を最優先として検査や手術など の診療を大きく制限した.その後，院内感染対 策が整備され，感染対策に必要な物資の供給が 安定化し，PCR検査や抗原検査の普及に伴い， 徐々にCOVID-19バンデミック以前の診療状況 に近づきつつあるが，完全な回復には至っていな い.一方，COVID-19の感染者数や入院患者数 の増加の程度によって，がん診療の縮小をせざる をえない状況も生じている.