スケーラブルなモバイルイーサネットと高速な垂直ハンドオーバ

摘要

3G移動体システムは既に市場に浸透し、Beyond 3Gと呼ばれる次世代無線システムがITU-Rにおいて議論されている。 Beyond 3Gシステムは3Gや無線LANを含む各種無線アクセスを統合し、オールIPの無線ソリューションを実現することによって各無線通信の利点を生かしたサービスを提供する。 無線システムを統合する現在の手法は、無線に依存する機能を局所化する一方で、IP技術によってオールIPネットワークに統合するというものである。 我々はこのオールIP統合ネットワークに適合する、Provider Bridge、RPR、IEEE802などのMACレイヤ技術を用いたスケーラブルなモバイルイーサネットアーキテクチャを提唱する。 さらに、共通の無線リソース管理とシグナリング管理を用いた高速な垂直ハンドオーバを提唱する。 また、ネットワークトラフィックを削減することによってスケーラブルなモバイルイーサネットを実現するため、モビリティ管理とマルチキャスト管理が可能なネットワーク分割について論じる。 そして、スケーラビリテイ（拡張性）の観点からネットワークの評価を行う。各セグメントのゲートウェイスイッチが全移動端末分のエントリーを保持しきれない場合には、MACフレームを転送するセグメントゲートウェイスイッチをアンカーポイントとする構造が有効であることを明らかにする。このほか、Mobile IPv6の高速ハンドオーバに対して垂直ハンドオーバの評価を実施した結果、高速な垂直ハンドオーバのほうがネットワークリソースの消費量が少なく、しかもハンドオーバのアンカーポイントが柔軟に決定できることを明らかにする。