使える解析テクニック！具体例で説明する電気化学測定法－バイオ電気化学関係（1）：フラット型半導体pHセンサによる固体表面のpH測定

摘要

固体表面でpHを測定する方法として，これまでに腐食研究を中心に，種々の手法が考案されてきた．一例として，平面型の半導体センサをpHセンサアレイとして機能させる手法が提案され，亜鉛めっき鋼板の防食特性の評価などが行われている．一方で，これらの装置は，比較的大きなシステムであり，簡便·迅速に固体表面のpHを測定するには制約が多かった．これに対し，著者らは，PH測定法として最も普及しているpH電極について，測定部のフラット化を検討してきた．その結果，従来のpHメーターとの組み合わせで簡便に固体表面のpHを測定できるフラット型ISFET （Ion Sensitive Field Effect Transistor：電界効果型イオン感応トランジスター）電極を実用化した．本稿では，フラット型ISFET電極の特徴や，実際の測定事例などを紹介する．