「横浜港国際客船ターミナル国際建築設計競技」入選案

摘要

ベイブリッジの下を通過し大洋の長い旅の到着点としての横浜港に接近する客船は、横浜みなとみらい21の建築群が描くシルエットを背景にした、緩やかな曲面屋根の輝きをまず見つける。やがて接岸が近づくと日本の形、表情をもつ抽象フォルムに静かに出迎えられる。白昼光が、近未来の宇宙基地のようなメカニズムを、夕陽が、古代神話の船のような輪郭を浮上させるかも知れない。機能構成は、もし比喩を上のふたつのイメージから作るならば、宇宙基地のような機構を目指しているといえる。細長い桟橋上の施設という形の条件が、機能の明快な分離と連結とを実現する線形空間構成を可能にする。