小児の急性血液浄化療法の進歩

摘要

小児の急性血液浄化療法（blood purification in critical care ;以下BPCC）とそこに関連する事 項については,さまざまな進歩がみられる.以前 は,小児用のICUはなく,一般病棟で自作の回 路で連日の当直によって行われていた治療方法 であった.特筆すべきことは,精巧な血液ポンプ（QB 1 ml/分から安定回転）,精度の高いその他透析ポ ンプなどを備えた血液浄化用装置が2001.年に発 売され,新生児,小児に対して安定して治療が可能となったことである.ブラッドアクセスはエ ンドホールタイプのカテーテルが7 Frまで発売され,脱血不良によるアラーム対応は激減した.また小児用ICU（以下PICU）が開設され,役割分担 されチーム医療が確立されていったことも欠くこ とのできない大きな進歩である.技術的,組織的な事項だけでなく,新生児?小児のAKI診断基準の確立，in/outバランスの定量化（％FO）の考案から実用化,バイタルサイン を利用したMETコールシステム，Renal Angina Index（以下RAI）, AKIバイオマーカーなどさまざ まな関連分野で進歩が確認される.