WEEKEND HOUSE ALLEY

摘要

最初は目標も定めす、隣地の眺望に配慮した配置①、街区に合わせた配置②、小さな単位の構成③、角地を意識した配置④、面的な疎密の繰り返し⑤などさまざまなボリュームスタディをし、案が地域のどんな魅力を顕在化しているかについての議論を重ねた。ある日、すべての住戸から海が見たいという困難な要望が施主から出たが、そのことが逆に、外に一歩出れば、周辺の魅力的な風景に出会うという思考のジャンプに繋がった⑥。空地の骨格だけを決めるという判断をしたのは、「箱」だけを必要とする商業施設であったことも大きい。内装も含め、すべてをコントロールできないプログラムに対し、何をどこまで設計するかの見きわめは、細部に至るまでの一貫したテーマとなった。それは、リサイクルした型枠を使い、パネルの割り付けすら緩やかなルールを決めるだけに留めて職人に任せた外装にも象徴されている⑦。自分たちでコントロールできない「他者」をいかに巻き込むか、それはその後も繰り返し考える重要なテーマになっている。