Book Review: 心臓超音波テキスト第3版

摘要

超音波検査に関する書籍は数多く出版され，複数の書籍を持っている方も多いと思うが, 『心臓超音波テキスト』は心エコー検査を行っている技師の皆さんが持っている，あるいは検査室で読んだことがある1冊ではないだろうか. 第1版,第2版の序文にあるように,学ばなければならない検査技術,ノウハウのテキストであるというコンセプトは今回の改訂でも貫かれており，本書は心エコー検査を行う医療者の拠り所となっている. 本書は基本設定の項から始まるか，最初に述べられているのは,患者さんへの接し方である.我々は症例から多くのことを学び成長していくが,患者さんへの視点を忘れてはならないことを再認識する内容となっている.また，治療の判断材料となる画像や計測値の精度が担保されるためには，各施設で超音波検査に携わる技師が検査機器の管理点検と同時に，検者間差の精度管理を行う必要性を認識し,実施していくことが今後よりいっそう大切になる.そのために必要な超音波検査の内部精度管理に関する必須の基本的内容が，網羅されている.