油価下落と年末までの協調減産の行方 米国のベネズエラ制裁と減産停止の可能性

摘要

NYMEX WTIが下落基調で推移し、60ドル台前半に滑り落ちた。前週は、米国の株価急落とドル安が原油価格を押し下げたほか、EIAの在庫統計で2週連続で原油在庫が積み増しとなったことからWTIは5営業日続落する展開。株式市場においては、ダウ工業株30種平均は1600ドル近く下げる場面があり、昨年12月8日以来ほぼ2カ月ぶりの安値で終え、下げ幅は史上最大となった。トランプ大統領が大幅減税政策を発動することでの長期金利の急速な上昇が投資家心理を冷めてきた様子だ。経済アナリストのなかでは、米株式相場の上昇が「調整局面に入った」との見方が広がっている。また、為替市場においても、ドル売りが進んでドル安が進行し、原油も売られる展開となった。前週の外国為替市場では、対ユーロでドル高が先行し、ドル建てで取引される原油などの商品の割高感につながり、原油が売られただけに、油価の下落基調とドル安が懸念される。