燃料電池の動作原理，性能および特徴，開発動向

摘要

燃料電池の発明は，1839年のイギリスのグローブ（William Grove）によるデモンストレーLS／ヨン実験にまで遡る．したがって，原理が実証されてから，現在まで160年以上が経過したことになる．燃料電池が世界で始めて実用に供されたのは宇宙においてであり，出力1kWの固体高分子形燃料電池（PEFC）が人工衛星ジェミニ5号に搭載された．わが国独自の本格的な燃料電池開発プロジェクトは，ムーンライト計画の1課題として1981年に始まった．この80年代には，東京電力による出力11MWのような出力規模の大きいプラントによる実証運転実験，大阪のホテルプラザに於ける200kW実証運転等，わが国に於いては研究開発が最も盛り上がった一時代であったように思われる．これらは全て第1世代と称されるPAFCであった．．