マイクロ光造形による3D微細構造の造形と転写技術

摘要

現在，マクロからマイクロサイズまで任意の立体構造を作製できる3Dプリンティング技術がさまざま開発されており，使用する材料も樹脂材料だけでなく，金属やセラミックスなど多岐にわたっている。しかしながら，3Dプリンティングは，単品生産あるいは多品種中量生産には適しているが，量産には不向きであるという課題もある。特に，光硬化性樹脂を用いてマイクロ·ナノスケールの3D微細構造を作製できる「マイクロ光造形法」では，100nmを凌ぐ加工線幅を達成しているため高精細かつ微細な3D造形が可能であるが，大面積の造形を行う場合に造形時間が非常に長くなるという生産性の低さが大きな課題となっている。そこで，マイクロ光造形法によって作製した3D鋳型を用いて，微小立体構造の転写·複製を行う技術の開発も進められている。本稿では，最も高精細かつ微細な3Dプリンティング技術であるマイクロ光造形法について，さまざまな造形方法を紹介し，この技術を活用した三次元微細構造転写·複製技術について解説する。そして，三次元微細構造を利用した応用例について紹介する。