「設計者に伝えたい！ 国産材の建築における劣{匕対策の必要性 -木造住宅を部材耐久性の面から考える-」に参加して

摘要

2022年1月26日，日本木材防腐工業組合が主催 した「設計者に伝えたい！国産材の建築における 劣化対策の必要性」と題したセミナーがZoomウ ェビナ一を用いて開催されました。著者はこの実 行委員として参加していたので，本セミナーの概 要及び開催に至るまでの苦労話を交えながらご紹 介致します。本セミナー開催の背景としては，高耐久性樹種 といわれる日本農林規格（JAS)で心材の耐久性 区分D1に指定されている樹種が防腐_防蟻処理 を施されずに使用されている場合が多いことが挙 げられます。例えばヒノキは，耐久が高い木材 として住宅の土台等によく使用されています。こ のことは，品確法の性能表示基準で，薬剤処理を 施さずそのまま使用できるとされていることでも 裏付けされています。しかし，これはヒノキの心 材部分の高い耐久性に基づいた基準であり，辺材 部分はどの樹種であっても耐久性は非常に低いこ とが知られています。日本木材防腐工業組合では， 実際の流通において耐久性が低い辺材を含んだ製 材や集成材が土台としてそのまま使用されている 状況を鑑み，木造住宅の設計や材料購入に携わる 方々に，ヒノキ等の高耐久性樹種であっても辺材 を含む材料は適切な保存処理が必要であることを ご理解いただくためにHP上に誰でも閲覧可能な 解説書を公開しておりますが，更に多くの方に公 表するため本セミナーを開催する運びとなりまし た。