TVR Tamora：エレキ派へのアンチテーゼ

摘要

ワインディングロードを駆け上がって頂上のパーキングヘ。 Uターンしようと周囲を見渡すと……見られているのは、むしろこちらの方だった。 それも無理はない。 この時、僕が乗っていたのはTVRタモーラ。 サイズは小さくても、スタイリングのインパクト、そして野太いエグゾーストノートは、タグモノじゃないのが来た、と思わせるには充分だったはずだから。 有機的な線と面で描かれた独創的なスタイリングや、知る人ぞ知る独特のドア開閉の儀式、さらには自社開発のパワーユニットなど、スポーツカー好きの琴線に触れる仕掛けの数々によって、TVRはここ10年ほどの間に、その地位を向上させてきた。 タモーラは、そんなTVRの言わば入門モデルだが、ドライサンプ式の直列6気筒DOHCユニットは、3605ccの排気量から最高出力350ps/7500rpm、最大トルク40.1mkg/ 5750rpmを発生し、それに対して車重はわずか1110kgしかないのだから、そのパフォーマンスは、紛れもなくリアルスポーツの域に入る。