今後四半世紀の国際エネ戦略

摘要

総合資源エネルギー調査会需給部会の第6回会合（1167号参照）では、「2030年に向けた国際エネルギー戦略（アジア消費国との関係のあり方を中心に）」が最後の議題に取り上げられた。 だが、長期エネルギー需給見通し改定の原案取りまとめ作業入りを次回に控えて、需要サイドの政策課題検討に時問をとられ、今後四半世紀にも及ぶこの国家の大計は事務局サイドの説明だけで、十分な論議を交わすことなく、時間切れに終わった。 結局、5月17日に開かれる次回会合までに各委員が意見を書面で提出、あとは事務局側の裁量に一任する形となりそうである。国際情勢、とくに東アジア情勢を睨んだ国家エネルギー政策の基本路線を確立するのが狙いだが、それほど立ち入って議論する暇もなく、事務局の説明する方向性がそのまま了承されそうな気配だ。いま国際エネルギー事情は極めて複雑な局面にあり、これからどう展開するのか判断するのが難しい。 国際エネルギー·プロジェクトはいずれも巨大であり、諸刃の剣の側面をもつ。対応を誤ると、大きな負担だけを強いられかねない。 この重要議題には、1回ぐらい余分に会合を開き、時間をかけてじっくり審議する必要があるのではないか。