灯油在庫4年来の最低水準へ

摘要

「灯油在庫もようやく300万keを切り、272万keになった。 2月未には200万keを割って160～170万keぐらいに縮小するのではないか」。 石油連盟の渡文明会長は2月18日の定例記者会見でこう指摘し、「過去4年間（2001～2003年）の2月の平均灯油在庫234万keを今年は大幅に下回っているので、暖冬で需要が多少落ちても市況がそうがたつくことはない」と強調した。 「現在は海外市況が高いから、国内で余ったら海外に輸出する捌け道もある。 需給バランスの見方が日本一国の問題からアジア地域全体に広がったので、アジア地域で競争力をつけ、勝てるようにしなければならない」とも発言、「ガソリンも各社が減産しているので、需給は適正化しつつある」と市況の先行きに強気の見方を示した。 また、翌日に予定されている大臣懇談会では、長期エネルギー需給見通し改訂に際して一次エネルギーに占める石油の定位置50％の確保と本末転倒税（地球温暖化対策税）反対に焦点を絞って訴える考えであると述べ、意欲的なところをみせた。 FTA交渉に伴って浮上する可能性のある石油製品関税撤廃問題にも触れ、「自由貿易拡大を目指すFTA交渉には賛成だが、人件費、税制、環境対策など日本固有のコストは関税として残す必要がある」と完全撤廃の問題点を挙げて注意を喚起した。