新カリキュラムにおける「看護学の観点から人体を系統立てて理解する」とは

摘要

2020年に改正された保健師助産師看護師学 校養成所指定規則（以下、指定規則）及び看護 師等養成所の運営に関する指導ガイドライン（以下、指導ガイドライン）において、専門基礎分野 の教育内容「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」が1単位増になり、看護師3年課程では16単位に設定された。そして、指導ガイドライン別表3の留意点には、「看護学の観 点から、人体を系統立てて理解し、健康?疾病?障害に関する観察力、判断力を強化するため、 解剖生理学、生化学、栄養学、薬理学、病理 学、病態生理学、微生物学等を看護実践の基 盤として学ぶ内容とする」そして、「臨床判断能力の基盤となる演習を強化する内容とする」と記載されている。ここで、「看護学の観点から、人体を系統立てて理解する」ということはどういうことか、なぜ、そのように明記したのか、単位数が増えて何を 期待するのか、などについて、筆者が構成員として参与した2019年の看護基礎教育検討会の看護師ワーキンググループ（以下、ワーキング）での討議も少し思い出しながら、筆者の考えを整理してみる。