病理発生機序からみる天疱瘡群

摘要

「天疱瘡群」という用語は,表皮内疱疹形成と細胞 間剥離を特徴とする自己免疫性皮膚疾患の一群を指 す。ヒ卜および動物の皮膚科領域では,天疱瘡疾患は， 臨床的および顕微鏡的な所見（自己免疫により影響 を受けている表皮層）と.自己抗体によって認^さ れる抗原)特定に基づいて分類されている。本稿で は，天疱癢群に属ずる疾患について概観し，その原 因と病理発生機序に関して考察する。角化細胞は，表皮および毛包の上皮を形成する上皮細 胞である。これらの細胞は基底立方細胞から変化してさまざまな層を形成し，B平角質細胞となつて脱落する。 デスモソームは細胞問接着を可能とする細胞間構造物 で，これによつて，細胞の形態と-大きさおよび表皮の強 变が維持される。