猫の膿皮症とはどのようなものなの力)!

摘要

犬の膿皮症は日常診療で最も多い皮膚病の一つで ある。一方，猫の細菌感染では咬傷が主体であり， 犬の表在性膿皮症に相当するような典型的な症状を 伴う猫に遭遇し，表在性膿皮症と診断したことはいま だない。また，痒みを伴う皮膚病の猫に対して全身性 抗菌薬を使用する機会はまれである。最近，腹部に痒 みとともに糜爛を主体とした外傷性皮廣炎の猫の診 察依頼があった。近医で処方された全身性抗菌薬を 内服し受診されたのだが，診察当日には糜爛や痒み は改善していた。これまでの固定概念を覆すような 経験であったことから，猫の表在性膿皮症や細菌感 染に対する臨床的な考え方を再検討してみたい。