近畿自動車道紀勢線紀勢宮川橋の設計と施工

摘要

紀勢宮川橋は，近畿自動車道紀勢線のうち三重県多気郡大台町から度会郡大宮町にかけて一級河川宮川を渡る橋長537m，最大支間90mの7径間達続鋼ラチストラス橋である．宮川は日本有数の多雨地帯である大台山系を源流とした三重県内では最大の河川であり，一級河川を対象とした国土交通省の水質調査（平成15年）では全国1位となる清流としても知られているが，平成16年9月の台風21号による豪雨では宮川村をはじめとする流域に甚大な被害をもたらした河川でもある．本橋は，約50m 下の宮川を跨ぐ谷あい地形に架かるもので，両岸ともに施工ヤードが十分に確保できないという制約下で架設を行う必要があった．