東急東横線跨線トラス橋りょう

摘要

平成25年3月に，それまでJR山手線および埼京線の上空にて交差していた東急東横線の地下化切換え，東京メトロ副都心線との相互直通運転が開始され，使用を終了した既存トラス橋りょうの撤去工事は東京急行電鉄(株)よりJR東日本(株)へ委託された.本工事にて撤去するトラス橋りょうは，支間長約30m,重量約123tの昭和初期に架設された複線下路構鋼桁である.その撤去方法の選定にあたっては，施工位置に住宅地等が密接していることや，クレーン据付け位置となる地下には埋設物が多数あること，また重量軽減のために線路上空で橋りょうの一部解体作業を行うことには非常にリスクが想定され，大型クレーンによる一括撤去は困難であった.これに代わり，トラス橋りょうを現形状のまま線路上空より縦移動させ撤去する工法として，トラス橋りょうの両端部にベント設備，および工事桁をトラス橋りょう上に架設しこれにより吊り上げ，トラス橋りょう下に台車設備を設け，引出しを行う工法を採用した.