MAT計測法: たわみやすい長大橋梁の形状計測により異常?変状を確認する技術

摘要

吊橋をはじめ長大橋では一部高齢化が進んでおり，長寿命化が必要不可欠な状況となってきているが，そのためには維持管理を確実に実施し，異常や変状をいち早く検知し，安全性を確保していく必要がある.長大橋の安全性を確認する一方法として，完成時からの形状変化量を計測し許容値と比較する方法が採用されてきている.しかし，長大橋梁であるがゆえに活荷重無載荷（以下，無載荷と記述する）の状態はほとんど発生せず，また部材の温度変化により形状も絶えず変化している.そのため，これまでの計測手法では温度が安定し交通量が少なくなる時間帯を選んで行わなければならず，また長時間を要するなど制約が多かった.その一方，得られた標高値が基準温度?無載荷の値であるかどうかも不明であり，これらが課題となっていた.